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東西隔てる経済格差~島田雄貴ITジャーナル

2017-06-06 5 Dailymotion

IT業界・通信業界の歴史を振り返る~島田雄貴ITジャーナル

<1989年の報告>

「東西を隔てる経済格差」

ミッテラン大統領がことのほか熱心な「ヨーロッパ連邦」構想にしても、ソ連や東欧諸国が複数政党制、自由選挙の実施、代議制、情報の自由化などを実現し、完全な自由化を達成することを大前提としている。

いわば、きわめて長期的な展望にもとついた発想である。

各国は1990年3月18日の東ドイツを皮切りに実施される自由選挙を軸に、民主化に向けての本格的な戦いを進め、経済の再建に挑む。

しかし、完全な自由化を達成するまでには、かなりの時日を要しよう。

疲弊しきった経済の立て直しなど容易ではない。

失敗に終わる可能性さえ多分にある、といってよい。

ハンガリー、ポーランドなどのように、早くから市場メカニズムの導入を試みるなど、経済改革が先行している諸国は、問題が比較的少ないかもしれない。

しかし、改革先進国といわれる両国でさえ、改革のツケが巨額の累積債務となってはね返り、今後の改革の推進にブレーキをかけかねないというのが実情である。

まして、ソ連型中央計画経済のもと、国家財政にすべてを依存し、官僚主義的な経済運営という、いわばぬるま湯にひたってきた東欧諸国にとって、市場メカニズムのもと、責任ある企業経営、利潤の追求による企業の活性化、国際競争力の強化をはかることなど、けっして容易ではない。

それでも、各国とも西側の支援に支えられて、経済の再建をなんとか軌道にのせることができるかもしれない。

しかし、市場経済への移行までには、克服しなければならない問題があまりにも多い。

西欧諸国との経済格差が縮小することは、しばらくは不可能に近いといってよい。

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